「慣れるまで我慢してください」と言われたそうです。論外です。
痛みは、調整によって取り除くものです。慣れるものではありません。
調整によって軽減する違和感もありますが、全に取り除くことはできません。慣れる時間と根気が必要です。
「このようにお考えの方が多いようですがまったく逆です。入れ歯は小さくすればするほど安定感をなくし不安定になります。痛みと不安定のために使い勝手の悪い入れ歯になります。写真の左側の入れ歯は来院時にお使いのものです。違和感と痛みでほとんど使えないそうです。右の入れ歯は、新しく作ったものです。調整を繰り返し使えるようになりました。
このようにお考えの方が多いようですがまったく逆です。入れ歯は小さくすればするほど安定感をなくし不安定になります。痛みと不安定のために使い勝手の悪い入れ歯になります。写真の左側の入れ歯は来院時にお使いのものです。違和感と痛みでほとんど使えないそうです。右の入れ歯は、新しく作ったものです。調整を繰り返し使えるようになりました。
私が、入れ歯を作るときに必ず話すことがあります。「入れ歯の作製には時間がかかります。完成してからも慣れるためと調整に時間が必要です」これは、入れ歯が歯医者で手軽に作れるために、勘違いしていると困るために話します。
こんなたとえ話をします。
ご自分が義手や義足を使うことを考えてください。リハビリや訓練に相当な時間を費やすことを覚悟しますよね。入れ歯も、まったく同じなんです。
自由診療(保険外の自費)になれば使用材料に選択肢が増えて理想的な入れ歯を作製することが可能になります。
しかし、咬めるかどうかは別問題です。健康保険で、咬める入れ歯を作れない先生には、お金をかけても作れません。技術的に無理ということです。
私が拝見した総入れ歯の多くが、小さくて不安定であったり、長期間の調整を行っていないなどの問題がありました。小さい入れ歯は、適切な大きさに作り替えれば安定は得られます。調整に関しては、問題なく使えていても年に1~2回は歯科医に診てもらう方が安全です。
入れ歯についてのたとえ話をします。
入れ歯は自動車と同じです。但し、自家用車ではなくタクシーやパトカーのように休みなく使う用途の物です。
当然、乗用車より使用条件は過酷です。それに伴う、故障や修理が必要です。
車に車検があるように入れ歯にも点検が必要なんです。
入れ歯を作るには段階が必要です。
- 1 診査
- 2 型取り(必要に応じて2回行う場合もあります)
- 3 咬み合わせの測定
- 4 歯並びの確認
- 5 完成
本来は、これが入れ歯作製の基本です。
小さな部分入れ歯は段階を省くこともありますが、大きな部分入れ歯や総入れ歯では、この工程を省くことはできません。
人工の歯や口から見える部分は従来のレジン(プラスチック)で作られており歯茎に接触する部分だけ軟らか材質でできている入れ歯があります。
利点
- 痛みはほとんど感じません
- 調整に時間がかからずになじみます
欠点
- 保険では作れません。
- 考えているほど良く咬めません。
- 軟らかい材料に耐久性がないため、長持ちしません
- 修理が困難です
これは、正直言って回答に困ってしまいました。どんな欠損(歯のない部分)かによって入れ歯の設計が違うので一概に言えないのです。
審美的な要求がなければ
- 健康保険の入れ歯(金属のバネあり)
- 保険外の金属を多用した入れ歯(金属のバネあり)
- 保険外のスウィングロックデンチャー
審美的な要求があれば
- 保険外の金属を使用した入れ歯(マグネットなどを使用)
- 保険外のノンメタルクラスプデンチャー(バネの代わりのなるものが存在)
- 保険外コーヌス アタッチメントデンチャー(残存歯に加工が必要で費用が高額)
いくつかの種類があります。すべてのものが保険では作れません。バルブラスト・スマイルデンチャーなどがあります。実際には、金属のバネの代わりになるものがあります。
利点
- 装着感は良好です。
- 金属のバネがありません。
欠点
- 健康保険では作れません。
- 歯茎の状態が悪い場合(歯周病)は使えません。
- 歯の残り具合によっては使えません。
- 耐久性がなく長期間の使用は困難です。
- 修理が困難です。